頭の先から足のかかとまですり減らすほど、自分の身を犠牲にして、人の為に尽くすことをいう四字熟語です。【頂(いただき)を摩(ま)して踵(くびす)に放(いた)る」と訓読します。
孟子(モウシ:B.C.372~B.C.289)が墨子(ボクシ:B.C.468~B.C.376)を評した文章の中で【摩頂放踵】が使われています。
『孟子』盡心(ジンシン)章句上のところで楊子(ヨウシ:B.C.359?~B.C.335?)と墨子と子莫(シバク:詳細不明)の三人を評しました。
孟子曰、楊子取爲我。
孟子曰く、楊子は我が爲にす。
孟子は言いました。楊子は(極端な個人主義者であるから)万事 自分本位にしか考えない。
拔一毛而利天下、不爲也。
一毛を拔きて天下を利するも、為さざるなり。
だから、たといわずか毛一本を抜くだけで天下のためになるとしても、決してそれをしない。
墨子兼愛、摩頂放踵、利天下爲之。
墨子は兼ね愛す、頂を摩して踵に放とも、天下を利することは之阿を為す。
ところが、墨子は(これと反対で、無差別の博愛主義者であるから)、たとい頭の天辺から
足の踵まですりへらしても、天下の為とあればそれをするのである。
今日は
二十四節気の『清明』です。4月5日から19日までです。
清明は【清淨明潔:セイジョウメイケツ】を略した言葉です。
さまざまな草木の花が咲きだす頃です。
七十二候の第十三候 【玄鳥(つばめ)至(きた)る】。 4月5日~4月9日 です。
万物に晴朗の気が満ち始めるときだそうです。