友人を心から思う気持ちを表した四字熟語です。
李白が「安史の乱」に絡んで、流罪となっていた時に、杜甫が心配のあまり見た夢をもとに作られた詩が
『李白を夢(ゆめ)む 二首』です。
【屋梁落月】が出てくる方の 「詩」と「読み下し」と「意訳」を併記します。「意訳」は私の独断解釈です、本意に外れているかもしれませんので、「読み下し」で、ご理解願います。
詩 読み下し 意訳
1) 死別己呑声 死別、己(すで)に声を呑み 死別には、泣き
2) 生別常惻惻 生別、常に惻惻(そくそく)たり 生別には、惻(いた)む
3) 江南瘴癘地 江南、瘴癘(しょうれい)の地 江南は、毒気の地
4) 逐客無消息 逐客(ちくかく)、消息無し 追われし友、消息無し
5) 故人入我夢 故人、我が夢に入るは 友、夢に入る
6) 明我長相憶 我が長き相憶、明らかにす 思いの故の為せること
7) 恐非平生魂 恐らくは、平生の魂に非ざらん 常の心に、あらざるや
8) 路遠不可測 路(みち)遠く、測る可からず 遠路、あまりの遙(はる)けきに
9) 魂来楓林青 魂の来る、楓林(ふうりん)は青く 来れるときは、楓も青く
10) 魂返関塞黑 魂の返る、関塞は黑し 帰れるときは、暗闇へ
11) 君今在羅網 君は今、羅網(らもう)に在る 友、いま囚われの身
12) 何以有羽翼 何を以てか、羽翼有る なぜに今、羽 持てる
13) 落月滿屋梁 落月、屋梁に滿つ 梁に満てり、月の影
14) 猶疑照顔色 猶お疑う、顔色を照らすかと 浮かぶ顔は、友 李白
15) 水深波浪濶 水深くして、波浪闊(ひろ)し 水深く 波果て無し
16) 無使蚊竜得 蚊竜(こうりょう)をして、得さしむる無れ つかまるなかれ、化物に
一行の心を籠めし年始状 高浜虚子
年賀状はいつごろからかと思い調べてみました。
平安時代中期の儒学者・藤原明衡(ふじわらあきひら:989年?~1066年)によってまとめられた『明衡往来(「雲州消息」とも)』という、今で言う文例集には、年始の挨拶を含むものが、いくつか入っているそうですから、この頃には貴族階級の中には、「年賀状」のやり取りをしていた人達がいたのかも知れませんね。