『英知あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』は、ラ・マンチャの騎士キホーテ卿が痩せこけた馬ロシナンテにまたがり、従者サンチョ・パンサを引きつれ遍歴の旅に出かける物語です。
作者ミゲル・デ・セルバンテス・サーべドラは1547年生まれ、日本では戦国時代。武田信玄、上杉謙信が活躍していた時代です。セルバンテス自身は24歳のとき「レパントの戦い:1571年」で左手を失い、乗っていた船が海賊に襲われ、5年間も奴隷になったり、また冤罪(えんざい)や部下の不始末やらで3度も牢獄に入れられたり、筆舌に尽くしがたいほどの波瀾万丈(はらんばんじょう)な生涯を送ります。将(まさ)に小説よりも奇なりです。
3度目の入獄のとき「ドン・キホーテ」の構想ができたと言われています。1605年(58歳)に「ドン・キホーテ:正編」を出版しました。これは大好評で、「ドン・キホーテ」の偽物の続編が出るほどでした。正編が出版されてから10年後に続編を出しました。 未だに、聖書に次いで世界的なベストセラー小説・ロングセラー小説となって出版されています。
年老いてからも遍歴の旅を続ける ドン・キホーテの姿を通して『生きてる限り、希望はある』というメッセージを後世の人々に伝えたかったのではないでしょうか。
どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。 救いのない運命というものはない。
災難に遭(あ)わせて、どこか一方の扉を開けて、救いの道を残している。
とも言ってくれてます。今の我々への応援歌と思います。
イロイロ有りましたが1616年4月23日 69歳でセルバンテスは亡くなりました。余談ですが、その日イギリスではシェークスピアが52歳で、またこの年6月1日 に徳川家康が亡くなっています。そんな時代でした。