この世に存在する全ての物や現象は、様々な原因や条件によって常に移り変わるものである、という意味の四字熟語です。。
【有為:ウイ】は梵語(ボンゴ)の『サンスクリタ』の漢訳で、原因と条件の結合によって出来る現象・存在を言います。
そういう現象・存在はみな生滅変化するものであるということで【有為転変】という四字熟語が出来ました。
「諸行無常」とほぼ、同じような意味で、この世の、はかなさを言った言葉のようです。
『今日の四字熟語 No.42、No.88』に【諸行無常】を紹介してます。
能『桧垣:ひがき』の一節です。【有爲】が謡われています。
シテ: 朝に紅顔あつて。世路(セイロ)に楽むといへども
地 : 夕(ゆうべ)には白骨となつて郊原に朽ちぬ
シテ: 有為の有様
地 : 無常のまこと。
シテ: 誰か生死(ショウジ)の理(ことわり)を論ぜざる
いろは歌にも【有為】が出ています。
色はにほへと 散りぬるを
我が世たれそ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見し 酔ひもせす
太平記:巻三十六 『清氏叛逆の事に付き相模守子息元服の事』の最後の文章が
有為転変の世の習い、今に始ぬ事なれ共、不思議なりし事ども也。
で結ばれています。