【先(さき)を爭(あらそ)うの徑路(ケイロ)は窄(せま)し】と読みまして、一歩を先んじようと争う小道はますますせまくなる、という意味です。
出典は『菜根譚』後集24条です。
爭先的徑路窄。
先を爭うの徑路は窄し。
一歩を先んじようと争う小道はますますせまくなる。
退後一歩、
退き後(おく)るること一歩ならば、
自分はほんの一歩だけ退いて人より遅れて通るようにすれば、
自寛平一歩。
自(おの)ずから一歩を寛平(カンペイ)にす。
自然に退いた一歩の分だけ広く平らになって通りやすくなる。
濃艶的滋味短。
濃艶(ノウエン)の滋味(ジミ)は短し。
また、こってりとした旨みのある料理の味わいは長続きしない。
清淡一分、
清淡(セイタン)なること一分(イチブン)ならば、
そこに軽くあっさりした味がちょっとあると、
自悠長一分。
自ずから一分を悠長(ユウチョウ)にす。
自然にそのちょっとした分だけ味わいも長続きする。