【耳(みみ)の職(ショク)は事(こと)を内(うち)に納(い)れ、目(め)の職は物(もの)を外(そと)に照(て)らす。】と読みまして、耳の役目は、外界の事柄を身の内に入れることであるし、目の役目は事物を身外において照らし合せる事である、という意味です。
出典は『言志耋録』72条です。。
耳之職納事於内、
耳の職は事を内に納いれ、
耳の役目は、外界の事柄を身の内に入れることであるし、
目之職照物於外。
目の職は物を外に照らす。
目の役目は事物を身外において照らし合せる事である。
人之常語曰聡明、曰聞見。
人の常語に聡明と曰い、聞ぶん見けんと曰う。
人が普通に言う言葉に聡明といい、聞見という。
耳之先於目可知焉。
耳の目に先だつこと知る可し。
何れも耳が目に先立つていることがわかろう。
両者或不得兼
両者或は兼ぬることを得ずば、
もしも、両者を兼ねることができないとしたら、
寧瞽勿聾ろうなることれ。
寧ろ瞽(コ)なりとも聾(ロウ)なること勿(なか)れ。
むしろ耳の役目を重視したい。
私は目の役目の方が重要だと思うのです。
と言いますのは、耳から入る情報より目から入る情報のほうが、勝(まさ)っていると思うのですが・・・・・。