【魚(うお)を亨(に)るに煩(ハン)なれば砕(サイ)す】と読みまして、魚を煮る時に、むやみに箸などでつついたり、かきまわしたりすると、魚がくずれて形がこわれてしまう、という意味です。そこから転じて政治をとるには、かえってあまり細かな施策をしないのがよい、という喩えです。
民を治めるのに、あまりせせこましい政策を用いると、かえって民をそこない、民心が離れてしまうことのたとえです。
亨魚煩則砕、
魚を亨るに煩(ハン)なれば則ち砕(サイ)し、
魚を煮る時に、むやみに箸などでつついたり、かきまわしたりすると、魚がくずれて
形がこわれてしまう、
治民煩則散。
民を治(おさ)むるに、煩なれば則ち散(サン)ず。
国民を治めるに、あまりせせこましい政策を用いると、
かえって民をそこない、民心が離れてしまう。
知亨魚則知治民矣。
魚を亨るを知れば、則ち民を治むるを知る。
魚を美味しく煮ることができれば、国民も安心して従ってくれるのである。