世の中、みんなが困っている、という意味です。
【四海】は、四方の海のことで、自国を含めて全ての世界のことを言います。
【四海困窮】は、『論語』の一番最後の篇「堯曰:ギョウエツ」にでています。
「堯曰篇」には為政者のあるべき姿が述べられています。
堯(ギョウ)曰く、咨(ああ)爾(なんじ)舜(シュン)、
堯が(帝位を禅譲しようとして次のように)言いました、ああ舜よ
天の暦数(レキスウ)爾の躬(み)に在(あ)り。
天の命数、すなわち帝位につくべき順番が汝に下ったようだ。
允(まこと)にその中(チュウ)を執(と)れ。
帝位に就いたならば、一方にかたよらない中正の道を堅く守り通して行け
【四海困窮】せば、
(万一中正の道を失って)天下万民に困窮を強いるようなことがあれば、
天禄(テンロク)永く終えん。
天が汝に与えた幸運は永久に途絶えるであろう。
為政者自身の身の持ち方も記載されています。四つあるそうです。
1) 寛大であること
2) 信用されること
3) 敏速に事を行えること
4) 公平無私であること
このあと弟子の子張(シチョウ)が孔子に尋ねました。
どのような人物ならば政治に従事することができましょうか。五つの徳を尊重することだ。
1)恵み深いが浪費はしない。
2)人民に労働を命じても怨みを買うようなことがない
3)欲望はあっても足ることを知って貪ることがない。
4)泰然としているが少しも驕った所がない。
5)威厳はあるが猛々しさがない。
最近、隣国の指導者が変わりました。 これを機会に
自国の古典に学んで、隣近所の国々に迷惑をかけている悪い国をやめて、少しでも改心して、まともな国になってくれるといいんですが。