【人(ひと)自(みずか)ら侮(あなど)りて、然(しか)る後(のち)人之(これ)を侮る。】と読みまして、自分から自分を侮ってだらしない行為をするから、他人もその人を侮辱するのである、という意味です。
出典は『孟子』離婁章句上です。
夫人必自侮、
夫(そ)れ人必ず自ら侮りて、
自分から自分を侮ってだらしない行為をするから、
然後人侮之、
然る後人之を侮り、
他人もその人を侮辱するのである。
家必自毀、
家必ず自ら毀(やぶ)りて、
家庭も自分から破滅するような原因をつくるから
然後人毀之、
然る後(のち)人之を毀り、
他人もその家庭を破滅させるのであり、
國必自伐、
國必ず自ら伐(やぶ)りて、
国家も暴政を行って国内の怨みをかうようなことをするからこそ、
然後人伐之。
然る後人之を伐る。
他国も侵略してきてその国を亡ぼすのである。
大甲曰天作孽、猶可違、
大甲(タイコウ)に曰く、天の作せる孽(わざわい)は、猶(なお)違(さ)くべきも、
されば(書経の)大甲篇にも、『天の下した災難はどうにか避けられもしようが、
自作孽、不可活、此之謂也。
自ら作せる孽は、活(のが)るべからずといえるは、此れをこれ謂うなり。
自分の招いた災難はとても遁れられない』とあるが、まさにこのことをいったものだ。