【汗(あせ)出(い)でて背(せ)を沾(うるお)す。】と読みまして、背中一面に冷や汗をかき、深く恥じ入ることを意味しています。
出典は『史記』陳丞相世家です。
孝文皇帝既益明習国家事,
孝文皇帝、既に益(ますます)国家の事に明習(メイシュウ)し、
孝文帝はすこぶる国事に習熟し
朝而問右丞相勃曰
朝にして右丞相勃(ボツ)に問いて曰く
朝廷で右丞相の周勃に問いました。
天下一歳決獄幾何
天下の一歳の決獄(ケツゴク)は幾何(いくばく)ぞ、と。
天下で一年間の裁判の判決はどのくらいあるのか。
勃謝曰、不知。
勃謝して曰く、知らずと。
周勃は知っていないのを詫びた。
天下一歳錢穀出入幾何。
天下の一歳の錢穀(センコク)の出入(スイニュウ)は幾何ぞ、と。
するとまた、天下における一年間の国庫の収支はどのくらいあるのか。
勃又謝不知。
勃、また知らずと謝す。
周勃はまた知っていないのを詫びた。
汗出沾背、愧不能對。
汗出(い)でて背を沾し、對すること能わざるを愧ず。
冷や汗が流れて背中をうるおし、返答できないことを恥じ入った。