【馬を相(ソウ)する之(これ)を痩(ソウ)に失(シッ)す】と読みまして、馬を鑑定するにあたってその馬が痩せていると、ついそれが気になって良い点を見落としやすい、という意味です。
それと同じく、人を見るにあたっても、相手が貧乏していると、立派な人格・才能を見落としやすく、また正当に評価してもらえないたとえです。
出典は『史記』滑稽列伝です。
當其貧困時、
其の貧困なる時に当りて、
人が貧しい時には、
人莫省視。
人 省視(ショウシ)するもの莫し。
省(かえり)みる者もいないが
至其貴也、
其の貴に至るや、
高い地位につくと
乃爭付之。
乃(すなは)ち争ひて之に付く。
争ってこれにつく
諺曰、
諺に曰く、
諺にあるように
相馬失之痩、
馬を相する之を痩に失し、
馬を鑑定するに当たって、その馬が瘦(や)せていると見損ない
相士失之貧
士を相する之を貧に失す、と。
士を鑑定するに当たって、貧乏していると、立派な人格・才能を見落としやすい。