【悪(アク)を見ること、農夫の務(つと)めて草を去(さ)るがごとくす】と読みまして、(為政者は)悪事を見たら、ちょうど農夫が努力して田畑の雑草を取り除くように、絶えず悪事を摘み取っていくように心がけなければいけない、という意味です。
出典は『春秋左氏傳』隠公六年です。
周任有言。曰、
周任(周の大夫:シュウジン)言へることあり。曰く、
周任は、こう言っている
爲國家者、
國家を爲(おさ)むる者は、
国家を治める者は、
見惡如、農夫之務去草焉。
惡を見ること、農夫の務めて草を去(さ)るが如くす。
惡を目にしたら、農夫が雑草を引き抜くが如くする。
芟夷蘊崇之、
之(これ)を芟夷(サンイ)し蘊崇(ウンスウ)して、
刈り取って積み上げよ、
絶其本根、勿使能殖、則善者信矣。』
其の本根(ホンコン)を絶(た)ち、能(よ)く殖(ショク)せ使(シ)むること勿(な)くんば
その根本から断ち切って、繁殖不可能にしてしまえば
則善者信矣。
則ち善なる者信(の)びん、と。
善なる者が伸びるであろう。