【私欲(シヨク)の制(セイ)し難(がた)きは、志の立たざるに由(よ)る。】と読みまして、自分の欲望を抑えられないのは志が確り立っていないからである、という意味です。
出典は『言志耋録』24条です。
私欲之難制、
私欲の制し難きは、
人が自分の欲望をおさえられないのは、
由志之不立。
志の立たざるに由る。
志が確り立っていないからである。
志立
志立てば
志が立っていさえすれば、
眞是紅爐點雪。
真に是れ紅こう炉ろに雪を点ずるなり。
欲望なんかは真っ赤に燃えている炉の上に一片の雪をおいたようなもので、
直ちに消えてしまうものだ。
故立志爲徹上徹下工夫。
故に立志は徹上てつじょう徹下てつげの工夫なり。
だから、立志ということは、上は道理を究明することから、下は日常の茶飯事に至るまで
上下総てに徹底するように工夫することである。