【人情世態(ニンジョウセタイ)は倏忽(シュクコツ)万端(バンタン)たり】と読みまして、人の心や世の中のありさまは、たちまち変わり、いろいろな様相を呈する、という意味です。
出典は『菜根譚』後集57条です。
人情世態、
人情(ニンジョウ)世態(セタイ)は、
人の心や世の中のありさまは、
倐忽万端、
倏忽(シュクコツ)万端(バンタン)たり
たちまち変わり、いろいろな様相を呈する
不宜認得太眞。
宜(よろ)しく認め得て、太(はなは)だ真(シン)なるべからず。
だから、ある一つのことを取り上げて、それが眞実だと思ってはいけない。
人常作是観、
人、常に是(こ)の観(カン)を作(な)さば、
人はいつも、このような見方をしていれば、
便可解却胸中罥矣。
便(すなわ)ち胸中(キョウチュウ)の罥(ケン)を解却(カイキャク)すべし。
胸の中にあるわだかまりも無くなるものである。