【門前(モンゼン) 雀羅(ジャクラ)を張(は)る】と読みまして、門の前に網を張っておくと、雀が捕まえられるほど、訪問客もなく人の往来もない寂(さび)れた状態を表しています。
出典は白居易の「寓意詩五首 其二」です。
白居易が詩に用いた【門前 雀羅を張る】の史実は『史記』の汲黯(キュウアン)・鄭当時(テイトウジ)列伝に出ています。
汲黯も鄭当時も漢の武帝に仕えていて正義感が強く、清廉潔白、直言の士でした。
高位にある時は、お客さんも大勢押しかけてきましたが、讒言(ザンゲン)により免職になると、もう誰も寄り付かなくなりました。
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親戚不得別,
親戚別るるを得ず、
別れを惜しむ暇もなく
吞聲泣路旁。
声を吞(の)んで路旁(ロボウ)に泣く、
声を抑えて道に泣く
賓客亦已散,
賓客(ヒンカク)亦(ま)た已(すで)に散(サン)じ、
客もすっかり居なくなり
門前雀羅張。
門前もんぜん雀じゃく羅ら張はる
門前ただ雀羅
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