【閒(カン)、髮(ハツ)を容(い)れず】と読みまして、間に髪の毛一本も入れる隙間もないことを表します。
事態が急で少しも時間のゆとりがないことを表します。
出典は『文選』枚乗「上書諫呉王」
【閒、髮を容れず】は『文選』に収録されている枚乘(バイジョウ)の「上書して呉王を諫む」にでています。
枚乘は、「呉楚七国の乱」の首謀者である呉王濞(ヒ)が起こした謀反を諫めるために書を送りました。
その中で述べた言葉です
私の任務は、一本の糸に千鈞の重さの物をつなぎ、無限の高さにかけて
底の知れない深い淵の上につるすようなものです。
係井絶於天、不可復結。
係(いと)天に絶(た)ゆれば、復(ま)た結ぶ可(べ)からず。
糸が空中で切れたら、二度と結ぶことは出来ないのです。
墜入深淵、難以復出。
墜(お)ちて深淵(シンエン)に入れば、以て復(ま)た出(い)で難(がた)し。
深い淵の中に落ちてしまったなら、二度と出ることは難しいことです。
其出不出、閒不容髮。
其の出づると出でざると、閒 髮を容(い)れず
それが出るか、出ないかは、
一本の髪の毛を入れる隙間もないほど差し迫った事態なのであります。