【恩裡(オンリ)には由来(ユライ)、害を生ず】と読みまして、世間の人から善く思われたりしている時にこそ災いが生じやすい、という意味です。
出典は『菜根譚』前集10条です。
恩裡由来生害。
恩裡(おんり)には由来、害を生ず。
恩情があついときは、昔から災害を起こしやすい。
故快意時、須早回頭。
故に快意の時は、須(すべか)らく早く頭(こうべ)を回(めぐら)すべし。
だから、自分の思いどおりになり、心地よいときには早く反省して引き返すようにしなさい。
敗後或反成功。
敗後には、或(ある)いは反りて功を成す。
また、物事が失敗した後には、意外と成功することがある。
故払心処、莫便放手。
故に払心(フッシン)の処(ところ)は、便(たやす)くは、手を放つこと莫(なか)れ。
自分の思い通りにならないときでも、やたらに手を放して投げ出したりしてはいけない。