ひたすら努力を続ければ、終には大事業を成し遂げることが出来るということを表した四字熟語です。
【愚公、山を移す】と訓読みされます。
【列子】湯問編にでているお話です。
北山(ホクザン)愚公(グコウ)という者あり。年且(まさ)に九十ならんとす。
北山愚公という人がいて、もう九十歳にもなろうという年でした。
山に面して居(お)り、山北の塞(サイ)の出入の迂(う)なるに懲(くる)しむ。
彼の家は(太行山:タイコウザンと王屋山:オウオクザンのふたつの)山に面しており、
出入り口が山の北側でふさがれていましたので、
どこかに出かけるにも遠回りしなければなりませんでした。
室を聚(あつ)めて謀(はか)りて曰く、
愚公は家族を集めて相談しました。
吾、汝(なんじ)らと力を畢(つ)くして険(ケン)を平らかにし、
みんなであの山を切り崩して平にし、
予南(ヨナン)を指通(シツウ)して、漢陰(カンイン)に達せん。可ならんか、と。
予州の南をめざしてまっすぐに道路をつくり、漢水の南岸まで通させたいと思うのだが、
どうだろう
雑(みな)然(しか)りとして相(あい)許す。
一同は、もっともなこととして賛成しました。
この話はまだまだ続きます。
奥さんの反対やら、隣のオヤジの非難中傷やらいろいろありますが、それらをモノともせずコツコツと
移山の努力をかさねました。
そうこうするうちに、天帝の耳に入り、その誠実さに感じいった天帝は御家来に命じて、二つの山をそれぞれ別のところに移動させました。
最後は他力でしたが、地道に努力を重ねていると誰かが見ていてくれて、力を貸してくれます。
そうしてメデタク完成。となるようです。