【水(みず)は則(すなは)ち舟(ふね)を載(の)せ、水は則ち舟を覆(くつが)えす】と読みまして、
水は舟を浮かべるが、同時にまた舟を転覆させもする、という意味です。
民は君を養うが、同時にまた君を害することもあるたとえです。
出典は『荀子』王制篇です。
傳曰、
傳に曰く
古伝がいうには
君者、舟也,庶人者、水也。
君なる者は、舟なり、庶人なる者は、水なり。
君主という者は舟であり、庶民という者は水である。
水則載舟,水則覆舟。
水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆えす。
水は舟を載せるが、また舟を転覆させもする。
此之謂也。
此れ之を謂ふなり。
このことを言ったのである。
故君人者
故に人に君たる者は、
そこで、人君たる者は、
欲安則莫若平政愛民矣
安(やす)からんと欲せば則ち政(セイ)を平らかにし民を愛するに若(し)くは莫し。
自分が安泰でありたいと思えば政治を公平にして民衆を愛するのが第一でありる。