【読書に三到(サントウ)有(あ)り】と、読みまして 読書するときに必要な三つの心得がある、という意味です。
出典は朱熹の『訓學齋規』です。
南宋の朱熹(シュキ)の言葉です。朱熹は、中国・南宋の思想家で、その敬称が『朱子』です。日本では「朱子学」として知られています。
余嘗謂
余、嘗(かっ)て謂(おもへ)らく、
私が思うに、
読書有三到
読書に三到有り。
読書には大事な三つの心得がある。
謂心到・眼到・口到。
謂ふ、心到(シントウ)、眼到(ガントウ)、口到(コウトウ)。
三到とは、
心到(シントウ:心を集中して読むこと)
眼到(ガントウ:目でよく見ること)
口到(コウトウ:声に出して読むこと)
を謂う。
三到之中、心到最急。
三到の中(うち)、心到(シントウ)最も急なり。
三到の中で一番大事なのは『心到』です。
心既到矣、眼口豈不レ到乎
心既に到れば、眼口(ガンコウ)豈(あ)に到らざらんや
心を集中して読むと、眼到、口到はついてくる