心配事や悩み事を抱えていて、何度も寝がえりを打つことを表す四字熟語です。
【輾転】の【輾】は、半回転のことです。また【転(轉)】は一回転のことです。
【反側】は、眠られなくて寝がえりをうつことを表します。
出典は『詩経』周南・関雎です。
【原文】 【読み下し文】 【口語訳】
關關雎鳩 關關(カンカン)たる雎鳩(ショキュウ)は
和やかに鳴きあうミサゴの夫婦が
在河之洲 河の洲にあり 川の中州にいる、
窈窕淑女 窈窕(ヨウチョウ)たる淑女は
しとやかな淑女は、
君子好逑 君子の好逑(コウキュウ) ミサゴの妻のように、君子の妻とするに相応しいものだ
參差行菜 參差(シンシ)たる行菜(コウサイ)は
生い茂った水菜は
左右流之 左右に之を流(もと)む 左右に求めて食卓を飾るべきものだ、
窈窕淑女 窈窕たる淑女は 窈窕たる淑女は、
寤寐求之 寤(さ)めても寐(ね)ても之を求む
目覚めていても寝ていても、求めに求めて
伴侶にすべきものだ
求之不得 之を求むれども得ざれば 窈窕たる淑女を求めて得ることができないならば、
寤寐思服 寤(さ)めても寐(ね)ても思服(シフク)す
目覚めていても寝ていても残念に思うべきだ、
悠哉悠哉 悠なる哉 悠なる哉 ああ残念のあまり
輾轉反側 輾轉反側す 身のもだえる思いがする
この詩は女性を思い慕う恋歌です。
【寤寐:ゴビ】は、寝ても覚めてもの意味です。
【悠(ユウ)なる哉(かな)】は、思い慕う情のつきないさまを表します。