【行(おこな)いて得(え)ざる者(もの)有(あ)らば、皆(みな)反(かえ)りて諸(これ)を己(おのれ)に反求(ハンキュウ)す】と読みまして、自分が行ったことで、思い通りにならないことがあったなら、すべて自分自身に原因がないか反省して、その原因をよく考えてみるがよいという意味です。自己反省を強調した言葉です。
出典は『孟子』離婁上です。
孟子曰、愛人不親,反其仁
孟子曰く、人を愛(アイ)して親(したし)まずんば、其(そ)の仁(ジン)に反(かえ)れ。
孟子が言いました、人を愛しても相手から親しまれない時には、
(人を怨まずに)自分の仁愛の心が足りないからではないかと反省するがよい。
治人不治,反其智
人を治(おさ)めて治(おさ)まらずんば、其の智(チ)に反れ。
人を治めてもうまく治まらない時には、
(人を憎まずに)自分の知恵が足りないからではないかと反省するがよい。
禮人不答,反其敬。
人を禮(レイ)して答(こた)へずんば、其の敬(ケイ)に反れ。
人に礼を尽くしても相手が答えてくれなかった時には、
(人を咎めずに)自分の敬意が足りないからではないかと反省するがよい。
行有不得者,皆反求諸己。
行いて得ざる者有らば、皆反りて諸を己に反求す。
何か他人に行なってよい反応が得られなかった時には、
(人を責めずに)すべて自分自身に原因がないかと反省するがよい。