【烏(からす)に反哺(ハンポ)の孝(コウ)あり】と読みまして、烏は幼時親に養われた恩返しに、親鳥に食べ物を口移しにして食べさせるという孝行を行うという意味です。
出典は『本草綱目』四十九・禽部です。
此鳥初生、母哺六十日。
此の鳥の初めて生まるるや、母(はは)哺(ホ)すること六十日。
烏は、生まれた時、親鳥が六十日間、その口に食べ物を含ませて養育し
長則反哺六十日、
長ずれば則(すなは)ち反哺(ハンポ)すること六十日、
子は成長すると、その恩に報いるため、六十日間親鳥に口移しで食べものを食べさせる
可謂慈孝矣
慈孝と謂う可(べ)し。
親孝行と謂うべきものだ
烏でさえ養育の恩に報いるのだ。ましてや人は父母の養育の恩に報いなければならないという教訓としてしばしば用いられます。