【一たび勞(ロウ)して久(ひさ)しく逸(やす)んず】と読みまして、一度苦労して長い安楽を得るという意味です。長い安楽な生活はその前に大変な苦労をしなければ得られないことを言います。
出典は『文選』所収の、班固 燕然山(エンネンザン)を封(ホウ)ずるの銘(メイ)です。
茲可謂一勞而久逸、
茲(こ)れ一たび勞(ロウ)して久しく逸(やす)んじ、
一度苦労すれば、その後長くその恩恵を得られ、
暫費而永寧也。
暫(しばら)く費(つい)やして永(なが)く寧(やす)らかなり。
またわずかな苦労で多くの安楽が得られる。
後漢の歴史家、班固が車騎将軍:竇憲(トウケン)に命じられて、石碑を作りました。その時の銘文の一節です。
竇憲が匈奴を制圧したので、それを讃えての石碑でした。