【刀(かたな)折れ矢(や)尽(つ)く】と読みまして、刀が折れ、矢ダネが尽き、激しい戦いの末、武器が尽き果てるという意味です。転じて、万策尽きたことにもつかいます。
出典は『後漢書』段熲伝です。
後漢の延熹(エンキ)三年(160年)の春、異民族の羌(キョウ)が後漢の段熲(ダンケイ)の軍を、夜明け方に攻撃しました。
段熲は馬をおりて大いに戦い、正午になって刀が折れ矢ダネも尽き、羌も退却しました。
羌幷兵晨奔熲軍。
羌、兵を幷(あわ)せ晨(あした)に熲の軍に奔(はし)る。
羌、兵を幷(あわ)せ夜明け方に熲の軍を攻撃しました。
熲下馬大戦、至日中に。
熲、馬を下りて大いに戦ひ、日中に至る。
熲は馬を下りて大いに戦ひ、正午になってしまいました。
刀折矢尽、羌亦引退。
刀折れ矢尽き、羌も亦た引き退く。
刀折れ矢尽きてしまいましたが、羌も亦た、刀折れ矢尽きてしまい、退いて行きました。