【井(い)渫(さら)えども食(く)らわれず】と読みまして、澄んだ井戸水があるのに、誰にも飲まれることが無いということから、すぐれた才能をもつ人物が世に用いられずにいることのたとえです。
出典は『易経』井(セイ)です。
井浚不食。
井浚えども食(くら)われず、
井戸浚いが終わって(水も清く澄んでいるのに)、だれも飲んでくれない、
行惻也
行くもの惻(いたむ)なり。
道行く人がはたから見ても、惻(いた)ましく感じるなり。
求王明、
王の明を求むるは
王者に人を見る目があるならば、この賢才をひきあげて、
並受福。
並びにその福を受けん。
王者もその賢才も、ともに福を受けるであろう。