【己(おのれ)立(た)たんと欲(ほっ)して人を立て、己(おのれ)達(たっ)せんと欲して人を達す】と読みまして、自分がこうありたいと思うことを、先ず人にやってあげる、また、自分が到達したいと思えば、人を到達させてやる、という意味です。
出典は『論語』雍也第六です。
夫仁者、己欲立而立人、
夫(そ)れ仁者は、己(おのれ)立たんと欲して人を立て、
人格者(仁者)とは、自分がこうありたいと思うことを、先ず人にやってあげる。
己欲逹而逹人。
己達せんと欲して人を達す。
自分が到達したいと思えば、人を到達させてやる。
能近取譬。
能(よ)く近く譬(たと)えを取る。
他人のことを自分のことのように考える。
可謂仁之方也已。
仁の方(みち)と謂うべきのみ。
それが相手の身になって考えるというあり方である。