『八月朔日:ハチガツサクジツ。ハチガツついたち』を略して【八朔:ハッサク】といいます。
昔、農家ではこの日収穫した新しいイネなどを、お世話になった人達に贈る風習が古くからありました。
このことから、『田の実の節句』とも言っていたそうです。
この「田の実」を「頼み」にかけて、武家や公家の間でも、日頃お世話になっている人に、感謝する意味で贈り物をするようになりました。
江戸時代には、徳川家康の江戸入城が、天正十八年(1590年)八月朔日だったことから、幕府の重要な式日となりました。
諸大名や直参旗本は白帷子(かたびら)を着て登城し、将軍家へ祝詞を申し述べる行事が行われました。
果実の『ハッサク』は、
江戸時代末期に広島藩因島(現在の広島県尾道市因島田熊町)の恵日山浄土寺の境内で実生として発生したそうです。
時の住職・恵徳上人(エトクジョウニン)和尚が「八月朔日(八朔)の頃から食べられる」と話したことから『ハッサク』と命名されました。