【山高きが故に貴（たっと）からず。樹（き）有るを以て貴しとす。】と読みまして、山は高いからと言って貴いのではなく、樹木が茂っているので貴いのだ、という意味です。
人も外観が立派だからと言って貴いのではなく、すぐれた才知があるから貴いのだ、という喩えです。

出典は『實語敎』です。平安末期から明治初期まで用いられた初等教科書。作者は未詳です。。

　　山高故不貴　以有樹爲貴。
　　山高きが故に貴（たつと）からず。樹（き）有るを以て貴しとす。
　　　　　山は高いからと言って貴いのではなく、樹木が茂っているので貴いのだ、

　　人肥故不貴、以有智爲貴。
　　人肥えたるが故に貴からず、智（チ）有るを以て貴しとなす。
　　　　　人も外観が立派だからと言って貴いのではなく、すぐれた才知があるから貴いのだ。