「棚機(たなばた)」とは古い日本の禊ぎ行事で、乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈り人々のけがれをはらうというものでした。
仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。
一方 古代中国では、織姫星(こと座のベガ)と牽牛星(わし座のアルタイル)は、農業の仕事をつかさどる星と考えられていました。
この二つの星は旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、中国でこの日を一年一度のめぐりあいの日と考え、七夕ストーリーが生まれました。
また、中国の行事で7月7日に織女星にあやかって、はた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習(乞巧奠:キツコウデン)が生まれました。
7世紀ごろ日本に伝わってきました。
それがもともと日本に存在していた「棚機(たなばた):乙女が着物を織って棚に備え、神様に捧げる行事」と結びついたようです。
そもそも七夕が全国に広まっていったのは、近世のことで、それまでは宮廷と武家に限られていました。
江戸時代になり七夕行事が五節句の一つとなると、七夕は庶民の間にも広まり、全国的に行われるようになりました。