【石(いし)を浮(う)かべ木(き)を沈(しず)む】と読みまして、浮くはずのない石を浮かせ、沈むはずのない木を沈める、という意味で、多くの人の讒言(ザンゲン)のおそろしさをのべた言葉です。
出典は陸賈(リクカ)の『新語:シンゴ』辯感です。
『新語』は、漢の高祖(劉邦)の求めに応じて陸賈が著した書籍だそうです。真に陸賈が著したものかどうか、ともいわれているようです。
夫衆口毀誉、
夫れ衆口(シュウコウ)の毀誉(キヨ)は、
多くの人の無責任な話が
浮石沈木。
石を浮せて木を沈ませ、
浮くはずのない石を浮かせ、沈むはずのない木を沈める、のです。
群邪所抑
群邪(グンジャ)の抑(おさ)うるところは
偏屈な連中が言い出しかねないのは
以直為曲
直を以て曲となす
真っすぐなものは曲がってるものなのだ
視之不察
これを視て察せざれば
何を馬鹿なことを言ってるんだ、と察知しなければ
以白為黒
白を以て黒となす
白いものを黒いものだと言い出す。