【長短(チョウタン)命(メイ)有り。存亡(ソンボウ)分(ブン)有り。】と読みまして、人の長命と短命はそれぞれ天から授けられた寿命であり、物の存亡にはそれぞれ定まった運命がある、という意味です。
出典は『三国志』魏志・陳羣(チングン)伝です。
魏の文帝(曹丕:ソウヒ)の皇女淑(シュク)が薨(コウ)じ、領邑を追贈され平原の懿(イ)公主と
諡(おくりな)されたとき、陳羣は上奏文を奉って述べました。
長短有命、存亡有分。
長短、命有り。存亡、分有り。
寿命の長短には運命があり、生死にはもちまえがあります。
故聖人制礼、或抑、或致、
故に聖人は礼を制し、或いは抑(おさ)へ、或いは致(いた)し、
それゆえ、聖人は礼を制定された時、ある場合は抑制しある場合はきわめさせ、
以求厥中。
以(もっ)て厥(そ)の中を求む。
それによって中庸を求めました。