【腹心(フクシン)を披(ひら)き、肝膽(カンタン)を輸(いた)す】と読みまして、心の奥底を披いて、真心を示す、という意味です。
出典は『史記』淮陰侯傳です。
前漢の4年(B.C.203)、韓信に齊の弁士蒯通(カイトウ)が、劉邦・項羽いずれにも属さず、独立すべきことを説いている場面での言葉です。
蒯通曰
蒯通 曰く
蒯通が言いました、
臣願披腹心
臣 願はくは腹心を披(ひら)き
私は腹心を披き
輸肝膽、效愚計。
肝膽を輸(いた)し、愚計を效(いた)さん。
肝胆をつくして、わが謀りごとを申し上げようと思うのですが、
恐足下不能用也。
足下の用いる能(あた)はざるを恐るる也(や)と。
ただあなたがこの計を用いられないことだけが気になります。