【幾(いく)たびか辛酸(シンサン)を歴(へ)て志(こころざし)始(はじ)めて堅(かた)し】と読みまして、多くの辛苦を経験してはじめて志操が堅固なものになる。
西郷隆盛が、平生心に懐いていた気持ちをうたった詩『偶成』の冒頭の詩句です
偶成 西郷 南州
幾歴辛酸志始堅
幾(いく)たびか辛酸(シンサン)を歴(へ)て志始めて堅し
幾多の艱難辛苦を経験して、始めて志が固くなるものだ
丈夫玉砕恥甎全
丈夫(ジョウフ)は玉砕(ギョクサイ)するも甎全(センゼン)を恥ず
男子は玉となって砕けるのはむしろ本懐であり
いたずらに身をまっとすることを恥とすべきだ
一家遺事人知否
一家の遺事(イジ)人知るや否や
我家の掟 誰が知るものか
不為児孫買美田
児孫(じそん)の為(ため)に美田(びでん)を買わず
子孫のために財産を買って残しておくことはしない。