【富(とみ)は屋(オク)を潤(うるお)し、徳(トク)は身(み)を潤す】と読みまして、富は、その家屋を豊かにするが、人が修養を積んで徳をそなえれば、その身は輝いて外にあらわれる、という意味です。
出典は『大學』です。
曾子曰、
曾子曰く、
曾子がいいました、
十目所視、十手所指、
十目(ジュウモク)の視(み)る所、十手(ジュッシュ)の指さす所、
多くの目にじっと見られている、多くの人から指さされていると思って、
其厳乎。
其れ嚴(ゲン)なるかな。
まことに厳正で恐るべきものである。
富潤屋、徳潤身。
富は屋(オク)を潤(うるお)し、徳は身を潤す。
財産が出来ると家屋を立派にし、内に徳が出来ると人の身体も潤いを受ける。
心広体胖。
心広ければ体も胖(ゆたか)なり、と。
(徳を身に付ければ)心は広く大らかになり、身体もゆったりとして落ち着いてくる。