【人情、安(やすき)を好んで危(あやうき)を悪(にく)まざるは莫(な)し。】と読みまして、人情としては安逸を好んで、危険を憎まない者はいない、という意味です。
出典は『言志耋錄』289条です。
人情莫不好安而惡危。
人情、安を好んで危きを悪まざるは莫し。
人情としては安逸を好んで、危険を憎まない者はいない
宜守素分。
宜(よろ)しく素分(ソブン)を守るべし。
宜しく自己の本分を守るがよい。
莫不好壽而惡夭。
寿(ジュ)を好んで夭(ヨウ)を悪(にく)まざるは莫なし。
また人情として長生きを喜び、若死を嫌がらない者はいない。
宜愼食色。
宜しく食色(ショクシキ)を慎(つつし)むべし。
宜しく食い気と色気を慎むがよい。
人皆知而不知。
人皆知っても而(しか)も知らず。
人は皆この道理を知っているわけであるが、これを行わない所を見ると、
本当は知ってはいないのであろう。