月日が過ぎ去ることを表す四字熟語です。それと、瞬く間に時が過ぎて、年老いてゆくことも表します。
「逾」は、こ・える、す・ぎる の意味です。「兪:ユ」と「辶」からできた形声文字です。「兪:ユ」を含む文字は結構あります、愉快(ユカイ)、教諭(キョウユ)、輸出(ユシュツ)、治癒(チユ)、比喩(ヒユ)、揶揄(ヤユ)、愈々(いよいよ)、楡(ユ。にれ)、瑜伽(ヨガ)、蛞蝓(カツユ。なめくじ)、覬覦(キユ。こいねがう)、踰邁=逾邁、真鍮(シンチュウ)。 「邁」もこ・える、すす・む の意味です。邁進の熟語があります。
「日月逾邁」は『書経』秦誓に、次のように書かれています。
【読み下し文】「我が心の憂いは、日月逾邁して、若(しか)して云來(ウンライ)せず」。
【意味】「わたしの心の憂いとなっているのは、日月がどんどん過ぎ去って、二度と帰って来ないことだ」
「我が」と言っているのは、秦の繆公(BC659~BC621)で、一説に「春秋の五覇」に数えられ、始皇帝による中国統一の礎(いしずえ)をなした王です。「怨み骨髄に入る」、「善馬の肉を食う」、「黄髪番番(コウハツハハ)」などの故事成語も繆公に関したものです。
書経(ショキョウ:宋代以降の呼称)または尚書(ショウショ)は、堯(ギョウ)舜(シュン)から夏・殷・周の政道を記録した歴史書です。「秦誓」は秦王が民衆に対する宣誓の言葉を集めた書です。
今年も残すところあと一日です。
3.11から、それこそアッという間でしたね。
酷(ひど)い年でした。
来年は復興元年。
辰年です。動物は「龍」があてられています。
登り龍の如く蘇える年になりますように。