【君(きみ)なる者は、舟(ふね)なり、庶人(ショジン)なる者は、水(みず)なり。】と読みまして、君主は船であり、国民は水である。君主の地位は人民によって支えられているものであるから、国民の生活を守る政治をしなければならない、という教えです。
荀子の時代は君主ですが、今の日本では政府にあたります。
出典は『荀子』王制篇です。
君主(政府)は人民(国民)によって支えられ、また、人民(国民)によって滅ぼされるということをいった言葉です。
『荀子』王制篇に、君主(政府)は、人民(国民)を愛し、政治に安んじさせることが必要である、と前置きして
傳曰、
傳に曰く
古伝がいうには
君者、舟也,庶人者、水也。
君なる者は、舟なり、庶人なる者は、水なり。
君主という者は舟であり、庶民という者は水である。
水則載舟,水則覆舟。
水は則ち舟を載(の)せ、水は則ち舟を覆(くつが)えす。
水は舟を載せるが、また舟を転覆させもする。
此之謂也。
此れ之を謂ふなり。
このことを言ったのである。
人民(国民)は、味方となって盛り立ててくれるくれることもあれば、敵となって潰しにかかることもある。
だから君主(政府)たるものは、政治を公平にし、人民(国民)を愛すべしである。