【人は少壮(ショウソウ)の時に方(あた)りては、惜陰(セキイン)を知らず】と読みまして、人は若くて元気壮ん時は、時間を惜しむことを知らない、という意味です。
出典は『言志録』123条です。
人方少壮時、不知惜陰。
人は、少壮の時に方(あた)りては、惜陰を知らず。
人は若くて元気壮ん時は、時間を惜しむことを知らない。
雖知不至太惜。
知ると雖(いえど)も太(はなは)だ惜しむには至らず。
よしんば知っていたとしても、そうたいして惜しむには至らない。
過四十已後始知惜陰。
四十を過ぎて已後(イゴ)、始めて惜陰を知る。
四十歳を過ぎて始めて、時間を惜しむことを知る。
既知之時、精力漸耗。
既に知るの時は、精力漸(ようや)く耗(モウ)せり。
すでにその頃になると、精力がだんだん衰えてくる。
故人爲學。
故に人の学を為(おさ)むるには。
故に人は学問をするには。
須要及時立志勉勵。
須(すべか)らく時に及びて立志勉励するを要すべし。
須らく若い時に志をたてて、大いに勉(つと)め励まなければならない。
不則百悔亦竟無益。
しからざれば則ち百たび悔ゆるとも亦竟(つい)に益無からむ。
そうでないと、後になって、どんなに悔やんでも無益である。