【巧言(コウゲン)は徳(トク)を亂(みだ)る】と読みまして、口先だけでうまいことを言うのは、いかにももっともらしく思われるが、心がこもってないから、結局、道徳正義を傷つけみだすことになる。という意味です。
出典は『論語』衛靈公第十五です。
子曰
子曰く
孔子が言いました
巧言亂徳
巧言は徳を乱る
口先だけでうまいことを言うのは(内容がこれにともなわないから)、徳を乱すことになる
小不忍
小(ショウ)、忍(しの)ばざれば
小さいことは耐え忍んで我慢しないと
則亂大謀
則ち大謀(タイボウ)を乱(みだ)る
大きな事を成し遂げることはできない
『巧言』とは、言葉を飾って巧みに云うことですし、口先だけの綺麗事をいうことです。
心にもないことを云うのは、品格を損ないますし、誰も信用しなくなります。
心にもないことを云うのは、自分自身に嘘をついていることにもなります。
自分自身に嘘をつくこと程、品のない行為はありません。
『論語』の学而(ガクジ)篇と陽貨(ヨウカ)篇には、
巧言令色、鮮矣仁。
巧言(コウゲン)令色(レイショク)鮮(すく)なし仁。
口先だけで、カッコつけてるような奴には、人への思いやりなんか無いもんだ。
となってまして、孔子は『巧言』を嫌っていたようです。