【十讀(ジュウドク)は一寫(イッシャ)に如(し)かず】と読みまして、書物は十回読むよりも、一回書写する方がよい、という意味です。
出典は『鶴林玉露』手寫九經です。
『鶴林玉露』(カクリンギョクロ)は、南宋の羅大経(ラダイケイ)による随筆です。詩文の評論、文人の逸話が主ですが、政治に関する話も記載があります。
卿勸朕讀光武紀
卿 朕に光武紀を讀まんことを勸む
そなたが朕に光武紀を讀むよう勸めた、
朕思、讀十遍不如寫一遍。
朕思ふに、讀むこと十遍なるは、寫すこと一遍なるに如かず。
朕が思うに、書物は十回読むよりも、一回写すほうがよい。
今以賜卿
今以(もっ)て卿に賜はんと。
今そなたに与えよう。