七十二候の一つで、3月15日~3月19日に相当する季節を言います。二十四節気の啓蟄(3月5日~3月19日)の最後の5日間です。【菜虫、蝶となる】は、【青虫が羽化して紋白蝶になる】という時季をあらわします。
【菜虫】は、大根や蕪(かぶ)などのアブラナ科の野菜を食べる昆虫の総称です。
特にモンシロチョウの幼虫、青虫を言います。
日本では【菜虫、蝶となる】ですが、中国では、「鷹(たか)化(け)して鳩と為る」と言われ、
「鷹が郭公(カッコウ)に姿を変える」季節となっています。
「鳩」と書いて、「郭公」と言ったり、鷹が郭公になったり、意味がよく分かりませんが古代中国人はそう考えていたのでしょう。
蝶のことを「夢虫」や「夢見鳥」と言うことがあります。
『荘子』の齊物論篇の最後に記載されている『胡蝶の夢』に由来します。
むかし、荘周は自分が胡蝶になった夢を見た。
喜々として胡蝶になりきっていた。
自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。
荘周であることは全く念頭になかった。
ふと目が覚めると、まぎれもなく荘周である。
荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、
それとも(自分は実は胡蝶であって)蝶が荘周になった夢を見ているのだろうか。
二十四節気の【啓蟄】の次ぎは【春分:3月20日~4月3日】です。
【春分】の最初は【雀始めて巣くう:3月20日~3月24日】です。