【己(おのれ)を舍(す)てて人(ひと)に從(したが)う。】とよみまして、他人に善行があれば己の行いを捨てて、人の善行にならって行う、という意味です。
出典は『孟子』公孫丑(コウソンチュウ)上です。
孟子曰、
孟子曰く、
孟子が言いました
子路人告之以有過則喜、
子路は人之に告ぐるに過ちを以てすれば、則ち喜べり、
子路は自分の気づかぬ過ちを忠告されるとたいへん喜んだ。
禹聞善言則拝、
禹は善言を聞けば、則ち拝せり、
また、聖人と言われた夏(カ)の禹王は他人から善い言葉を聞くと、頭を下げて感謝した。
大舜有大焉、
大舜は焉(こ)より大なるもの有り、
帝舜になるとさらに偉大であった。
善與人同、
善きこと人と同じければ、
善いことなら人と共に行うので、
舎己従人、
己を舎てて人に従い、
自分のわだかまりなど捨てて人に従ったうえで、
樂取於人以爲善、
人に取りて以て善を為すを楽しめり。
他人のよいところを学び取って、人々と一緒に善事を行うのを楽しんだ。