【戰(たたか)いは逆德(ギャクトク)なり、爭(あらそ)いは事(こと)の末(すえ)なり】と読みまして、戦いは道理に背く行為であり、争いは事の末節である、という意味です。
出典は『史記』越世家です。
古代中国の春秋時代、越王勾践(コウセン)は、呉王夫差(フサ)が日夜兵を整えて越に報復しようとしていると聞き、呉が兵を発する前に、こちらから攻撃をかけようとしたとき(前494年)
范蠡諫曰
范蠡(ハンレイ)諫(いさ)めて曰く
范蠡が諫めて言いました、
不可。
不可なり。
いけません。
臣聞兵者凶器也,
臣(シン)聞く、兵(ヘイ)は凶器(キョウキ)なり,
私が聞いてますのは、武器は人を損なう不吉な道具であり、
戰者逆德也,
戦いは逆德(ギャクトク)なり,
戦いは道理に背く行為であり、
爭者事之末也。
争いは事の末(すえ)なり。
争いは事の末節である。