【耳(みみ)より入(い)りて、口(くち)より出(い)ず。】と読みまして、小人の学問は、人から聞いたことを十分に理解しないで物知り顔にすぐに人に告げることを言います。
出典は『荀子』勧学篇です。
君子之学也、入乎耳箸乎心、
君子の学は、耳より入れば心に箸つき、
君子の学問は、耳から入ったことが心につき、
布乎四体、形乎動静。
四体に布(し)きて、動静(ドウセイ)に形(あら)わる。
体中に行き渡って行動にもあらわれる。
端而言,蝡而動,
端(ささや)きて言ふことも。蝡(みじろ)ぎして動くことも,
ちょっとした言葉、ちょっとした身動きも、
一可以為法則。
一に以て法則と為すべし。
みな法則とすることが出来る
小人之學也、
小人の學は、
小人の学問は、
入乎耳、出乎口。
耳より入りて、口に出づ。
耳から入って、口から出ていく。
口耳之間、則四寸耳、
口耳の間は、則ち四寸のみ、
口と耳の間はわずかに四寸、
曷足以美七尺之軀哉。
曷ぞ以て七尺の軀(からだ)を美するに足らんや。
どうして七尺の体全体を立派にすることが出来ようか。