【管(カン)を用(もち)いて天を窺(うかが)う】と読みまして、細いくだの穴から天をのぞき見る、という意味です。
細いくだの穴から天をのぞいてもその広大さを推しはかることはできないことから、極めて狭い見識を言う言葉です。
出典は『荘子』秋水篇です。
子乃規規然、而求之以察、
子(シ)は乃すなわ)ち規規然(キキゼン)として、之を求むるに察(サツ)を以てし、
君は、うろうろしながら、細かい分析によって彼をとらえようとし、
索之以辯。
之を索(もと)むるに弁(ベン)を以てす。
つまらない弁論によって彼を追いかけている。
是直用管闚天、
是れ直(た)だ管を用いて天を闚(うかが)い、
これは、ただ細い管から大空をのぞき、
用錐指地也。
錐(きり)を用いて地を指(さ)すなり。
錐をさして地の深さをはかっているだけだ。
不亦小乎。
亦(ま)た小ならずや。
いかにもちっぽけな見方ではないか。
子往矣。
子よ往(さ)れ。
君、帰りたまえ。