【戰戰兢兢(センセンキョウキョウ)として深淵(シンエン)に臨(のぞ)むが如く、薄氷(ハクヒョウ)を履(ふ)むが如し。】と読みまして、深い淵の断崖に立っては、落ち込むことを恐れるように、また、薄い氷を踏んでは、割れて水中に陥るのを恐れるように、慄き恐れてその身を慎むという意味です。
出典は『論語』泰伯篇です。
曾子有疾。
曽子(ソウシ)、疾(シツ)有り。
曽子が病気で重態になった。
召門弟子曰、
門弟子(モンテイシ)を召(め)して曰(いわ)く、
(そのとき)門弟たちを呼び集めて言いました、
啓予足、啓予手。
予(わ)が足(あし)を啓(ひら)け、予(わ)が手(て)を啓(ひら)け。
私の足を開きなさい、私の手を開きなさい。
詩云、戰戰兢兢、如臨深淵、如履薄冰。
詩に云(い)う、戰戰兢兢として深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し、と。
『詩経』に、深い淵の断崖に立っては、落ち込むことを恐れるように、
また、薄い氷を踏んでは、割れて水中に陥るのを恐れるように、とあるが、
而今而後、吾知免夫小子。
而今(いま)よりして後、吾(われr)免(まぬが)るるを知るかな、小子(ショウシ)。
これから先は、その心配も無くなるのだ。そうだね、きみたちよ。