【人事を盡(つ)くして天命に聽(まか)す。】と読みまして、人としてやるべきことは、すべてやった。あとは天にまかせるしかない、という意味です。
出典は『讀史管見』晉紀・武帝です。
『読史管見:トクシカンケン』は南宋(1127~1279 )の儒学者、胡寅(コイン:1098~1156)が「歴史を読んでの私見」としてまとめた書物です。
その中で、東晋の謝安(シャアン:320~385)が前秦の苻堅(フケン)を淝水(ヒスイ)で破った時のエピソードに絡めて、「盡人事聽天命」の言葉が使われています。
謝公以宋社存亡決之
謝公(謝安のこと)、宋社の存亡を以て之を決す。
謝安は国の存亡をかけ、一大決心をした。
盡人事聽天命。
人事を尽くして天命に聴(まか)す。
やるべきことはやった。あとは天命にまかせる。
蓋無遺策
蓋し遺策(イサク)無からん。
手落ちはないはずだ。