煩悩や情欲のために心が乱れて落ち着かないことを表す四字熟語です。
【心猿意馬】とも言います。
心が、走り回る馬や、騒ぎ立てる猿のように落ち着かないことを表します。
仏典に見られる四字熟語です。
『参同契:サンドウカイ』という経典(曹洞宗に於いて朝夕読誦していると言われているようです。私は直接曹洞宗の方に聞いてませんので、伝聞ですが)に
如(も)し其れ【心猿】定まらず、【意馬】四馳(シシ)すれば、則ち神気外に散乱す。
と【心猿意馬】の言葉が二字づつですが見えます。これが初出かもしれません。
仏典以外では『伝習録:デンシュウロク』に出ていまして、こちらは【心猿意馬】の四字熟語の形で出ています。
人に学問をする方法を教えるときは、相手によって方法を変えるべきとして、
初学時、心猿意馬、拴縛(センパク:繫ぎ留める)不定。
初学の時は、【心猿意馬】、拴縛定めず。
初学の間は心意が動揺し不安定であって、これを繫(つな)ぎ留めることはできない。
であるから、として
暫くの間は、静坐して考えを落ち着かせるようにし、当分これを続けて、その心意の安定するのを
待つべきである。
と説明してます。
仏道修行にしても、学問修養にしても【意馬心猿】の逸る気持ちを先ず押さえ、私欲を除いて励まなければいけないそうです。
できるかなぁ~。