【瓜(うり)を投(トウ)じて瓊(たま)を得(う)】と読みまして、男女が愛情の誓いの品を互いに贈ることを言ったことばです。
古代中国の習慣で、女性が木瓜(ぼけ)などの木の実を投げて求愛して、男性は応じるときに宝玉を贈っていたそうです。
出典は『詩経』衞風・木瓜(モッカ)です。
三節からなっています。いずれもが同じような文言を重ねています。違うのは、木瓜と瓊琚、木桃と瓊瑤、木李と瓊玖、の三か所の組み合わせだけです。
投我以木瓜
我に投ずるに木瓜(ボッカ)を以てす
わたしに木瓜(ぼけ)を贈ってくれました
報之以瓊玉
之に報ゆるに瓊琚(ケイキョ)を以てす
そのお返しに美しい宝玉を贈ります
匪報也
報ゆるに匪(あら)ざる也
お返しというだけではありません
永以為好也
永く以て好みを為さんとする也
長いお付き合いをしたいのです
投我以木桃
我に投ずるに木桃(ボクトウ)を以てす
わたしに木桃(さんざし)を贈ってくれました
報之以瓊瑤
之に報ゆるに瓊瑤(ケイヨウ)を以てす
そのお返しに美しい宝玉を贈ります
匪報也
報ゆるに匪ざる也
お返しというだけではありません
永以為好也
永く以て好みを為さんとする也
長いお付き合いをしたいのです
投我以木李
我に投ずるに木李(ボクリ)を以てす
わたしに木李(マルメロ)を贈ってくれました
報之以瓊玖
之に報ゆるに瓊玖(ケイキュウ)を以てす
そのお返しに美しい宝玉を贈ります
匪報也
報ゆるに匪ざる也
お返しというだけではありません
永以為好也
永く以て好みを為さんとする也
長いお付き合いをしたいのです